地震への備えは大丈夫?知っておきたい「耐震等級」とは

公開日:2021/07/15  最終更新日:2021/06/21


住宅購入の際、耐震性能のランクを示す耐震等級という言葉がよく用いられます。地震の多い日本で家を建てる時に耐震等級の意味を理解しておくことは大切です。なぜなら、耐震等級の意味を正しく理解しておくことで、安心・安全な家づくりに繋がるからです。本記事では、知っておきたい「耐震等級」についてご紹介します。

耐震等級とは

住宅購入を考える際、地震に強い家という条件は非常に大切です。そして、地震に対する建物の強度を示す指標の一つとして耐震等級という指標があります。一般的に、素人が設計図や住宅の構造を見ても地震に対する建物の強度は分かりません。そのため、地震に対する建物の強度を誰でも分かるように耐震等級という指標が設けられました。耐震等級とは、住宅の性能表示制度である住宅品質確保促進法に沿って定められています。

そして、地震があった際、住宅の構造躯体の倒壊・崩壊のしにくさを表す指標が耐震等級です。また、建物の耐震性能によって3段階にランクが分かれており、数字が大きくなるほど耐震性能が高いと評価されます。

さらに、耐震等級は4つの要素により決定されています。

1点目が建物の重さです。建物の壁や屋根の重さが重いほど、地震の揺れに対して建物の振れ幅が大きくなります。そのため、建物自体が軽いほど耐震性が高くなります。

そして、2点目は耐力壁の多さです。地震による横からの力に耐えることのできる壁のことを耐力壁といいます。耐力壁が多いほど地震に対して強くなります。

続いて3点目は、耐力壁や耐震金物の配置場所です。耐力壁や耐震金物を建物に多く使用していても、適当な場所に設置しているだけでは力を発揮することができません。そのため、適切な場所にバランスよく設置し、効果を発揮できるかが大切です。

最後に、4つ目が床の耐震性です。耐力壁が地震の揺れに抵抗に踏ん張るためには強い床が必要であるからです。また、免震性能・制震性能という言葉も地震に対する家の性能を表す際によく用いられます。しかし、免震という言葉は地震に対する建物の強度ではなく、地震が起こった際に建物自体の揺れを抑えるという意味です。さらに、制震とは建物の内部に制震ダンパーと呼ばれるパーツを組み込み、地震の揺れを軽減する仕組みを指します。

耐震等級は三段階ある

耐震等級には3つのランクに分けられています。それぞれの耐震等級のランクのごとに建物の耐震性能の基準が定められています。

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法が建物に求めている最低限の耐震性能を満たしていることを表します。数百年に一度発生すると予想される震度6強から7に相当する地震に対し、倒壊、崩壊しないことを示しています。また、数十年に一度の頻度で発生すると予測される、震度5程度の地震には建物の損傷防止に効果があるとされています。

耐震等級2

耐震等級2は耐震等級1の1.25倍の倍率の耐震強度があることを示しています。耐震等級2以上であれば、長期優良住宅の認定項目の一つを満たします。さらに、災害時の避難場所となる学校や集会所、災害時の対応が求められる病院などの公共施設は耐震等級2以上で建設されています。

耐震等級3

耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。耐震等級のランクの中で最も高いレベルです。消防署・警察署など災害時の救護活動の拠点となる場所は耐震等級3で建設されることがほとんどです。

耐震等級の決め方

住宅を建設する際、耐震等級を考慮しながら購入することは大切です。地震に強い家にするために耐震等級3を条件に住宅を建設することは可能です。しかし、間取りに制約が発生する場合や住宅の費用が高額になることが多く、予算が合わない場合や実現したい住宅にできないケースがあります。

また、耐震等級1の建物やそもそも耐震等級が不明な建物も少なくありません。耐震等級という指標(住宅性能表示制度)は2000年に制定されました。そのため、2000年以前に建設された建物に関しては、耐震等級が不明な建物も多くあります。

さらに、住宅性能表示制度は任意であるため、建設の際に必ず評価書を取得する必要はありません。したがって、耐震等級が不明なケースも多いです。また、あえて耐震等級を下げて自由な間取りで建設する場合も少なくありません。耐震等級は住宅購入者である施主の希望によって決めることができます。

一方、ハウスメーカーや工務店が建設する建物の耐震等級のランクを定めている場合があります。しかし、ハウスメーカーなどの業者に従う必要はなく、間取りと耐震等級のバランスについて相談することが可能です。たとえば、地震に強い家にするために耐震等級3を実現する、予算を抑えるために耐震等級を下げるなど様々な判断が可能です。

また、耐震等級により地震保険の保険料が安くなる場合があります。さらに、耐震等級のランクのよって長期優良住宅という性能表示制度の認定項目の一つを満たすことができる点も考慮が必要です。

 

家を建てる際、耐震等級について正しく理解しておくことは重要なポイントです。耐震等級のそれぞれの段階はどのような基準で決められているのかを理解し、各段階の特徴を押さえておくことが大切です。どのような家でどのような暮らしをしたいかを考え、住宅の耐震等級を決定します。それにより、家族と長く安心して暮らすことのできる住宅を実現することができます。

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